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独バラック弾で3大会ぶり8強/EURO

後半4分、決勝ゴールを決めるドイツMFバラック(AP)
後半4分、決勝ゴールを決めるドイツMFバラック(AP)

<EURO2008:ドイツ1-0オーストリア>◇16日(日本時間17日)◇1次リーグB組◇オーストリア・ウィーン

 指揮官不在の危機を「小皇帝」の異名を持つドイツの闘将MFバラックが救った。後半4分、FKから豪快に弾丸シュートを決め、歴史的にも因縁深い隣国オーストリアに1-0で勝利。12年ぶりとなる決勝トーナメント進出を導いた。1次リーグ第2戦クロアチア戦で敗れ、負ければ敗退が決まる一戦。開催国オーストリア・メディアから挑発行為を受けながらも一蹴した。準々決勝ではC・ロナウド率いるポルトガルと対戦する。

 うっせきを晴らすかのようにバラックはほえた。後半4分、ゴールから約25メートルのFK。サインプレーで壁との角度をわずかに変えたところに走り込んだバラックは、右足一閃(いっせん)、ゴール右上に突き刺した。「後半早い時間帯に得点が欲しかった。そういう意味ではいいFKだったね」。チームに命を吹き込むゴールを自画自賛した。

 4日前にクロアチアに敗れたことで自信を失い、選手同士の衝突も絶えなかった。「皇帝」ベッケンバウアー協会副会長からは「予選で敗退することは考えられない。もしそうなればドイツサッカーの恥」と、プレッシャーともとれるメッセージ。さらに前半終了間際にレーブ監督が退席処分を受けた。それでも、マテウス、ベッケンバウアーら、そうそうたる歴代の闘将と同じように、ピッチの指揮官となって見事にはね返した。

 その統率ぶりからレバークーゼン時代につけられた、オーストリア出身の大指揮者ヘルベルト・カラヤンのニックネームは、今やロンドンでも呼ばれている。4年前の前主将GKカーンのように後方から仲間を鼓舞するのではなく、背中で引っ張る。オーストリアの地元新聞には、バラックの名前入りでフランクフルト行きチケットが掲載され、早く帰るように挑発を受けたが、自らの足で雑音を一蹴した。

 幼少時からここぞと言う場面にはキッカーを買って出た。小学生のころ、地元クラブでは1つ上の中学世代で出場。ある試合でPKを獲得すると、物おじした先輩らは誰1人として蹴りたがらなかった。すると、体は細く、まだあどけない最年少のバラックが、年上の先輩らを尻目に自ら名乗り出て、決めた。

 次戦は、欧州CL決勝で負けたマンチェスターUのC・ロナウドが率いるポルトガル。「手ごわいが、2年前のW杯では勝った。楽しみだ」。大指揮者は好敵手との再戦で、勝利の歌を奏でるつもりだ。

 [2008年6月18日9時25分 紙面から]


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