第3回 マルセル・ヤンセン(ドイツDF22歳)

- マルセル・ヤンセン(ドイツDF22歳)
左SBの突破で「強いドイツ」復権
大国復権のカギは、ヤンセンが握る。ドイツがタイトルを獲得する時、いつも優れた攻撃的な左サイドバック(SB)がいた。90年W杯のブレーメ、96年欧州選手権のツィーゲ。強いフィジカルを生かし、ストライドの長い直線的でダイナミックなドリブル突破から鋭いクロスを連発する。伝統を引き継ぐ由緒正しき男、それこそヤンセンだ。
9歳で古豪ボルシアMGの下部組織に入団し、名将アドフォカート監督に見いだされた。19歳だった04年12月4日のヘルタ・ベルリン戦でデビューすると、シーズン後半戦から本家ツィーゲを抑え、レギュラーに定着。191センチの大柄ながら足元の技術に優れ、機を見た攻撃参加で一躍、国内にその名をとどろかせた。
昨夏バイエルンへ移籍。メディカルチェックでひざの故障が判明し、手術する可能性があった。しかし、ヘーネス統括部長は「我々は君と契約を交わしたい。君のケガもすべて我々が責任を持つ」とまで言い切り、獲得に踏み切った。今季はケガに泣かされリーグ17試合に終わったが、出場すれば好クロスを前線のトニ、クローゼへ供給。ブンデスリーガの象徴であるバイエルンの王座奪回に貢献した。06年W杯から温かく見守るレーブ監督の信頼は揺るぎない。
性格は冷静で注意深く、1歩引いたところから物事を見る。「自分は後になって、あの時こうしておけばよかった、というタイプではない」。クローゼ、ゴメスら決定力あるFWを生かすも殺すもクロス次第。ドイツ12年ぶりの戴冠は、好青年ヤンセンの機を見た「暴走」とともにある。(中野吉之伴通信員)
◆マルセル・ヤンセン 1985年11月4日、ドイツ・メンヘングラッドバッハ出身。ボルシアMGからバイエルン入りし、移籍1年目の今季リーグ優勝。05年9月3日のスロバキア戦で代表デビュー。06年W杯は最年少20歳で選ばれ、3位決定戦のポルトガル戦に出場。国際Aマッチ22試合1得点。191センチ、84キロ。
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